心得

心得

名工に教わった大切な2つのこと

私が20歳の大工修行中に、日本一を目指して挑んだ全国技能五輪大会。
群馬代表10名の強化合宿のなかで、決して入賞できるような腕があったわけではない私に
「お前は素直で良い」と、今は亡き名工が目にかけてくださり教えてくれた
大切なことが2つあります。
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~心技体~
皆さんは、武道や相撲で重んずる 精神・技術・体格の三要素として知っているかと思います。
私に名工が教えてくれたこと 1つ目は ~心技体~

良いものを作ろうと思う【
その心から繰り出される【
その心と体を動かす為の【

「心が乱れていれば歪んだものになる
 その心と体が健康でなければ良い技は繰り出されない。
 当たり前のことだけれども
 どれ一つ欠けてしまってはならない大切なものなんだよ。」

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~規矩準縄~
2つ目は ~規矩準縄~(キクジュンジョウ)

工匠(こだくみ)の道に「規矩準縄」
という成語がある

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=コンパス 円形を描く  
=さしがね 方形を形づくる
=水盛   水平を測る  
=すぐなわ 直線を求める 
※建物を正確に建てるための大切な道具
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規矩」=考えや行動の基準とするもの。
準縄」=おきて。手本。規則。    
※即ち、物事が正しく収まることを言い表した言葉
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中国の孟子の言葉に
「規矩を以てせざれば、方員(ほうえん)を成すこと能(あたが)わず」
(巧みな人でも、コンパスや曲尺をもちいなければ、方形も円形も描くことは出来ない)

「規矩準縄、即ち王道なり」とある


※キャッチフレーズにもなっております。
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心技体」「規矩準縄」は
建物を建てる大工として、また、人間として大事なこと。

「人間も建物も素直にまっすぐ芯が通っていないとだめ、
   歪んだものになってしまうんだよ」
厳しい声で修行中の若造の私にやさしく教えてくれました。

心身共に健康に、技術の探求心を忘れずに、
只々「良いものをつくる」という
素直な心で家づくりを行う。
私が20歳の時に名工が教えてくれたこと
剛工務店の心得として大切にしております。

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