与板ミニ削ろう会から シェアスペース工事④木部仕上げ編

シェアスペース
春日権現験記絵(一部)

いつもブログを読んでくださりありがとうございます。

今日の夕方のニュース番組。
91歳、新橋駅前で現役靴磨きを続けている
おばあちゃんについての特集

「お客様の靴が綺麗になることが一番。」

靴墨は手で直接刷り込むスタイル。

40歳から家族を食べさせていくために
長年続けてきた路上での靴磨き。
当時は、沢山いた路上で靴を磨く人も
おばあちゃん1人に

指紋はすり減り、変形した指。
指は黒ずみだらけ

「私を必要としてくれる人がいるからやらなきゃならない」
「死ぬまでやり続ける」

心の底から
「おばあちゃん、ご苦労様」と
思う夕飯時。

こんな人間国宝級のおばあちゃんから
路上で働く許可に5万円取っていると言うシステムに
情けなくも、泣きたくもなる思い。

1磨き 500円
※平均の半値だそうです。

この放送でおばあちゃに会いに
行く人が増えるかと思われます。
おばあちゃんの体力を思いできるだけ
今までのペースを崩さないように
そっと見守ってやって欲しいと願う
剛(ごう)です。

本日のブログは


さて!

シェアスペースの木部分の仕上げは
・台鉋仕上げ
・チョウナ仕上げ
・ヤリ鉋仕上げ
などの仕上げが施されています。



この「仕上げ」について
施し方のポイントを改めて
「ミニ削ろう会」で確認したこと
一つお付き合いください。

「越後与板打刃物職人まつり&ミニ削ろう会」


前日は夕方から、参加人数70人近くの懇親会に
仲間とBBQでサポートさせていただきました。
ご用命いただきましてありがとうございました。



片付けも夜遅くまでかかり
日曜日は、昨日の疲れを引きずりフラフラの体に鞭打ち
4時半起きをして、楽しみにしていた新潟県の与板町へ

8時着。ヘロヘロな状態でしたが
早速、会場内の展示された刃物や砥石をを見てまわります。
素晴らしい道具たちを目の前に「買いたい欲」爆発しそうでしたが
工場に仕込みきっていない、以前購入した子達(道具たち)を
思い出し、欲を抑えながら見て回っていると「開会式」に
主催者、共催からの挨拶で

「ミニ削ろう会」スタート


この会は
日本の北から南、近い人も遠い人も
日本一の鉋の薄削りを競いあうために
集まる大会


若い大工さんから、年配のベテラン大工さんから
法隆寺宮大工 西岡常一棟梁のお弟子さんであった
小川三夫棟梁も参加されていて
みんな「切磋琢磨」と学びながら
礼節を持って競う姿勢に
「まだまだ研究と追求をしなくちゃ!」と
とても心打たれ刺激をいただきました。

他に

室内は
「鉋台打ち実演」
「槍鉋実演」

外では
「ハツリ・チョウナ掛け」

昨年、新潟のダイアン建築の大岩さんからチョウナの柄を買わせていただき
ハツリで参加しようと仕込んだものを持っては行ったものの、、、
疲れすぎと雨も強目に降っていたので
今回は、室内と外を見たり、お話を聞かせていただいたり
廻らせていただきました。
※大岩さん、お誘いいただきありがとうございました!

特に今回は、シェアスペースの仕上げで

苦戦した「槍鉋仕上げ」について
何か吸収させていただこうと
「槍鉋実演」へ

現在の鉋は皆さんもご存知の「台鉋」。
この削ろう会の薄削りでも使われます。
室町時代中期に日本に伝わり
江戸時代に普及されました。

「槍鉋」は、それ以前に使われていた
仕上げるための大工道具。

山で伐採された木が木割製材され
チョウナで荒仕上げされた後に
槍鉋で仕上げが施されます。

槍鉋実演は
先日、本出版された
「木工具 なぐり・はつり・削りの技法」
の表紙であり、槍鉋のページを担当された
村上宏治さん
鎌倉時代成立の絵巻「春日権現験記絵」の格好そのままで
※当時は、絵から座り込んで施工していたらしいとわかる
雑談を沢山交えたとても楽しいお話。


私のシェアスペースの施工で
上手に行かなかった部分を
村上さんは知っているかのように
次々に疑問に思っていたことを
聞かずともご説明くださりました。

まずは、槍鉋を掛ける姿勢から
左手は刃のギリギリの位置で持ち
少し背中がまるまるくらいに前傾姿勢から掛け出すとか
刃のどの辺をよく使うとか
木の目によってどっちから、どう槍鉋を掛けるとか
槍鉋は押して掛けることもできるが
できるだけ引いて事が望ましいとか
際の辺材部分は逆から掛けるとか、
それでもどこに逆目が出るかわからないから辺材は難しいとか
逆目が出て修正する際には、使った刃よりも曲がりの強い刃で再度掛けるとか

村上さんもうまく行かない部分や、難しく感じている部分が
自分も感じ疑問でに思っていた同じことであったことに嬉しかったり

「あ〜、やっぱりそういうことかぁ」と確認できたり
「あ〜、なるほど、こうやればうまく掛かるのかぁ」と学んだり

やっぱりまずは自分でやってみて、悩みを持ち
聞けるタイミングや場所へ行くことが
とても大切なんだなと改めて感じました。

外では
はつり会場では、雨の中ひたすらチョウナや斧で逞しく
丸太を削る姿を見学して、木目方向によってのチョウナを掛ける
方向など参考にさせていただいました。


帰宅し、夜は
チョウナの柄の保護に麻紐を巻いたり
刃沓を製作し、いよいよ自分の道具として「形」が
出来てきたのかなとワクワクを感じながら
「ミニ削ろう会」で学んだことを実践することが楽しみに。



次回まで沢山の悩みができるまで追求する。
楽しみでいっぱいです。
やっぱり大工の楽しみはこれだなっ!

会場で久しぶりに会えた
技能研修の同期、棟梁研修の同期、(一社)日本伝統建築技術保存会理事、繋がりをいただいている宮大工さん、大岩さん、村上さん
また会える日を楽しみにしております。

最後までお付き合いいただきありがとういございました。

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剛工務店は群馬県伊勢崎市で、高気密高断熱住宅、暮らしを豊かにするお家を自然素材と匠の技でつくる大工工務店。Ua値0.3以下、C値0.3以下、耐震等級3(許容応力度計算)を基本仕様。新築、リフォーム、リノベーションを行う工務店です。

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